大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和35(オ)726 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人加藤謹治の上告理由について。

原判決及びその引用する第一審判決によれば、原審は、本件土地がその附近に開

発せられ造成せらるべき農地の利用上必要な薪炭採草用地として、自作農創設特別

法三〇条一項七号により買収せられたものであると認定判断して居るのである。而

して、右の如き買収処分の適否は、処分当時の状況にしたがつて判断すべきもので

あつて、原審の認定にかかる右買収処分当時における本件土地の状況にしたがえば、

同条項七号の場合に当るとした処分庁の認定に重大かつ明白な瑕疵のあることを見

出し得ないのであり、これと同趣旨の原判示は正当である。また同法五条五号は、

同法三〇条の規定による買収には適用なく、論旨引用の判例は、同法三条により農

地として買収することの許されない土地を同法三〇条一項七号により買収すること

許さないとする趣旨ではないから、これと原審の判断との間に、矛盾する所はない。

論旨は要するに、原審の認めなかつた事実関係を前提とするか或は独自の見解に

立つて原判決を攻撃するものであるから、これを採用し得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 石 坂 修 一

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!